RICE処置(応急処置)

周りの人,自分がケガしたときに適切な応急処置ができる人はどれくらいいるでしょうか。その場で正しい応急処置ができなければ,回復や治療に大きな差が出 てきます。ここでは意識を失っているとか,呼吸をしていないなどの場合を除いて外傷のほとんどに有効な応急処置方をあげておきます。応急処置は「RICE 処置」を主にやることになります。

では「RICE処置」とはなんでしょう。
R=Rest(安静)
I=Ice(冷却)
C=Compression(圧迫)
E=Elevation(挙上)

Rest[安静]

まずケガをしたらどんな状況でもいったん中断して,安静にすることが大事。ケガの程度を甘く見て無理に体を動かしたりして新たな故障を招く事があるからで す。骨折や捻挫部分の固定もこれにあたります。 固定には副木を使用するのがいいがなかなかそう都合良くあるものではないので,とりあえず手近にある木ぎれや段ボールなど固定できるものならばなんでもか まわないのでケガした部分を固定し,安静にしましょう。

Ice[冷却]

外傷(突き指,捻挫,骨折,打撲,靱帯の損傷)のほとんどは内出血と腫れがあります。これを最小限にとどめるには冷却するのが最も有効です。ケガの直後にすぐおこなうのがポイント。冷やす時間は,1回15~30分間にし,間隔を置いて繰り返しましょう。

Compression[圧迫]

これもケガをした部分の腫れと内出血を少なくするために有効。腫れてくる前に冷却と平行しておこなうとさら効果は高まります。ただし,圧迫しすぎると,血 液の循環が悪くなり症状を悪化させる事もあるので注意が必要。基本的には腫れそうな部分にスポンジのような軟らかいものをあてて,軽く圧迫する程度に包帯 やテープを巻く。圧迫の時間は30分が目安。

Elevation[挙上]

ケガをした部分が腫れてくるのは,血液やリンパ液がたまってくるためです。ケガした部分を高く挙げておくことによって流れ込む血液やリンパ液の量が減り, 出ていく量が増えるので,腫れをおさえて早く腫れをひかせることができます。つまり,手ならば三角巾でつる,足なら横になって高くすることが有効となりま す。特に足は腫れやすいので,応急処置後も何日間かは足を枕などを下に敷いて高い位置に保つようにすると治りが早いようです。