「剣道が大好きだった安藤先生に何か御礼をしたい」という卒業生たち思いがスタートで 安藤杯が実施されるようになって10年目に入ります。年々参加者は増え、白熱した試合が展開 される様になりました。今は剣道をやっていない先輩方も、この日は応援にかけつけてくださいます。 この大会がいつまでも続き発展することを願ってやみません。
安藤先生について
<略歴>
昭和41年4月 成蹊大学剣道部顧問教授
昭和62年3月 成蹊大学を定年退職 名誉教授となる
平成10年12月17日 逝去
<剣道に対してのお考え>
昭和63年度 月刊「剣道日本」より
「剣道は哲学である」、 「剣道の根本は心」、「その心によって行う無限の訓練,自我の超克の努力である」
安藤杯開催経緯
昭和63年、安藤先生が大学を退官される時、一つの節目ということで「安藤先生卒業式」を剣道部で企画し、 稽古会を開催いたしました。剣道部の恒例で、卒業する人は参加者全員と稽古をしなくてはなりませんが、 先生のお体をきづかって10名程度で終わるようお願いしましたが、戸板に乗って帰るようになっても最後まで 全員と稽古をするとおっしゃって、とうとう全員と稽古をやりとげました。30名位と記憶しています。 さすがにふらふらになっておられましたが、やりとげたことがとても自信になったと、ことあるごとに おっしゃていたのがいまでも懐かしく思い出されます。このことが後の「安藤杯」開催のふせんになるとは 全く想像しておりませんでした。
それから安藤先生は年に数回道場に足を運ばれましたが、稽古をすることができず、悔しい思いをしていると、 話していました。
そして平成9年先生はご自宅で倒れられ、入院をしました。その後の病状もあまり思わしくなく、 外出もできずに塞ぎこむ事が多いとお伺いし、蹊剣会有志が相談し、安藤先生を励まそうと 「安藤先生を囲む会」を企画しましたが(平成10年4月)、お体の具合がすぐれず参加すること ができませんでした。当初はご参加の予定でしたが、間際になって参加できる身体に戻っていない ので、遠慮したいということになりました。しかし、急なことで、中止することができず先生を抜き にして「安藤先生を囲む会」を開催致しましたが、みなさんに申し訳ないとテープに挨拶を録音し 近況を報告されました。そのとき集まったお見舞金を先生にお届けにあがりましたが、例によって 頑としてお受になりませんでした。
何度か先生に、お見舞いを受け取っていただきたいとお願いに、伺いましたがどうしてもお受け にならず困っていると、先生は、「私を喜ばせようとしてくれるなら、道場に稽古着を着てOB、 OGが集まっているのを拝見させてもらえれば大変に嬉しい。私の卒業式の時のように稽古着をきて 道場で会いたい。」と仰いました。
そこで、先生に優勝杯をお見舞金でご寄付いただき「安藤杯争奪剣道大会」を11月23日に 開催することにしました。当日は稽古着を着て野武士のようにじっと座って観戦されていましたが、 寒い時期でもあり大変にきつかったのではないかと思います。しかし、とても喜ばれ次回を楽しみに しておられたのにそのわずか3週間後に亡くなられるとは、夢にも思いませんでした。
先生が亡くなる2週間前に電話を頂き「安藤杯はとてもすばらしかった。」と感激され、 「楽しいことを思い付いたので今日実行してきた。」と報告がありました。それは、1999年と、 2000年の会費を送ったというのです。 2000年の会費納入の1番乗りを果たして「気分が非常に爽やかだ」とおっしゃっていました。 今思うと何か期する所があったのかもしれません。
三浦先輩にご協力いただきました。ありがとうございます。