ねんざ

ふとバランスを崩したときに捻挫をしてしまうことがあります。そうなってしまった場合は、軽くみないでしっかり治しましょう。

捻挫とは

本来、関節には一定の運動範囲がありますが、スポーツなどで運動範囲以上の動きが強要された結果 、関節を構成する「関節包」や「靭帯」、「滑膜」がねじれ、部分的に切れてしまう状態を「捻挫」といいます。けがをして2~3日たっても腫れがひかず、体 重をかけると強い痛みが起こる、などの場合、骨折が疑われます。疑いがある場合は、病院に行きましょう。

症状

・患部が腫れる
・患部を押すと痛い
・ねじった方向へひねると、痛みが一層強くなる

応急処置

ただちに「RICE(ライス)療法」を行ってください。
R (REST=安静)
患部を動かさないで安静にして休む。足には松葉杖を使う、腕は三角巾で吊るなど体重をかけないこと。
I (ICE=冷却)
炎症を抑え、痛みをとるため、患部を中心に広めの範囲で、氷のうやバケツに入れた氷水などで冷やす。冷却スプレー、冷感パックも効果的。
C (COMPRESSION=圧迫)
内出血や腫れを防ぐため、スポンジや弾力包帯、テーピングで患部を圧迫して固定する。
E (EREVATION=高挙)
患部を心臓より高い位 置に保つことで、内出血や腫れを防ぐ。

冷却の際の注意
「冷却」は応急処置だけでなく、帰宅後も断続的に続けます。1回につき15~30分くらい、しびれて感覚がなくなった頃に冷やすのをいったんやめる治療を 繰り返します。 ただし、子どもやお年寄り、糖尿病の人などは血液循環が悪いため、長時間冷やすと凍傷を起こす危険がありますから、1回につき10分くらいにとどめてくだ さい。

回復までのながれ
捻挫を起こした患部は次のように進行して回復に向かいます。
1.炎症を起こす
部分断列した小血管から内出血し、炎症が起こる。
2.血腫を形成する
出血が周囲組織内に侵入すると血腫を形成する。炎症が治まり、回復に向かい始める。
3.回復する
血腫が吸収されると腫れが引き、瘢痕組織になて、皮膚の表面にひきつれが起こった後、回復。

捻挫はクセになるのか
捻挫を起こした部分は完全に治さないと、靭帯が伸びたままの状態が続き、サポートする力が弱くなってきます。この状態でスポーツを行うと、捻挫を繰り返す ことになります。つまり「捻挫がくせになる」のはきちんと治療しないために起こることです。 とくに足はバランス感覚をとる場所ですから、足の捻挫の場合はバランス感覚のトレーニングや、関節をサポートする筋肉を強化する訓練が必要です。